後半で主題と対旋律が絡んでくるところ。ここはどの弦パートも divisi を要求していて酷ではありましたが、みなさんが持てる実力を出してくれたおかげできれいに響きました。ほかにもちょっとした繰り返しが絶えず発展する面白さがいろいろな個所にあります。久石譲はもともとミニマルミュージックを得意としていて、この曲もその延長線上にあります。ジブリだけではないのです。
3:3:2 のリズムでとる冒頭のチェロのオクターブが決まらなかった(編曲者がそんな編曲をしなければよかったのだが)。本番はチェロが3人いたので分担できて事なきを得ました。それから、転調の前後で校舎の鐘の音のような空虚五度の音程が出てくるのですが、ここがきちんと決められず濁ってしまいそうだったので必死でした。
アンサンブル版でもオーケストラ版でもピアノが入るので、弦だけの編曲は音色の変化が乏しいので少し不利でした。ピチカートを取り入れることも考えましたがビルのロビーでの演奏のため音が通らなくなると思い断念しました。次回はピアノ入りの編曲でもやってみたいものです。
夏にやるコンサートなので夏にちなんだ曲を一つは入れたいという気持ちで編曲しました。しかし、同じコンサートで弾く他の曲と比べて際立って難しく、一時は演奏中止にすることも真剣に話し合われました。わたしがごり押しのようにしてお願いしてなんとか本番にこぎつけましたが、ひやひやものでした。拍手がほかの曲より少なめだったのは気のせいでしょうか。