3楽章、長短短のキビキビしたリズムに乗ってソロと弦楽合奏群が対峙しつつ、ラストに向かって一体となっていく高揚感がすばらしい。なお、チェンバロ協奏曲ですが、私が弾いたのは現代のピアノであることを申し添えます。
2楽章の緩徐楽章は、独奏鍵盤楽器の細かな音符をどのように弦楽合奏群に合わせるか、苦労しました。また1楽章でも、細かな32分音符を正確にとるのは思いのほか難しく感じました。また全曲を通して息が抜けるところがほとんどないので、粘り強さという意味での体力・気力が必要です。
私が再度この曲を弾くことはないと思いますが、ピアノをオーケストラをバックに弾いてみたいみなさんに申し上げたいことがあります。それは、大規模な協奏曲にチャレンジする前に、ぜひともこのような、独奏部と伴奏部が親密な協奏曲を練習することで、全員で音楽を作りあげる楽しみを経験してもらいたい、ということです。
小編成の弦楽アンサンブルなので、一人のミスが大きく波及する可能性があり、なかなか一筋縄ではいかない曲です。