曲が曲だけに面白いというのは気がひけますが、すべての弦楽器が最高音に達して全休止になったとき、そしてそのあとの転調がいつも心が動かされます。冒頭の1st Vn によるテーマは Cb 以外のすべての楽器に引き継がれるので、満足するはずです。
曲解説でもあるとおり楽譜にはフラットが5つあります。弦楽器は鳴りが悪く、しかも音程が定まりません。まずは音程をどの楽器も意識することから始まります。それからクライマックスでは高い音域が出てきます。
とにかく間を持たせるのが大変な曲なので、気合を入れて練習しないといけません。 低弦のみの譜面情報ですが、チェロの最高音は二点変ト音で、ト音記号を使いますから、親指ポジションは必須です。それから、コントラバスは下一点変に音が出てくるので、五弦かエクステンション付きが望ましいと思います。
私がもっている楽譜では、スコア1冊とVn1, Vn2 がそれぞれ8冊、Va, Vc, Cb がそれぞれ4冊なので、1冊1プルトの編成が作曲者の考えるベストなのだと思います。なお、私が演奏したときは、合唱が一緒でいた。というのも、私が所属していた合唱団がたまたま、バーバー自身の編曲で無伴奏合唱曲「アニュス・デイ」を練習していて、たまたま私がいる弦楽合奏団で本曲を練習していたこともあり、私が仲介して、産業音楽祭というところで弦楽合奏の伴奏つき合唱を披露するというたぐい稀な経験をしました。なお、演奏日は忘れましたがおそらく 1995 年ごろだと思われます。